パティ・スミス 久々の来日公演。
チケット発売が去年の夏だったから随分待ったけど、先月ようやく『Just kids』の翻訳本が出て。そして本の内容が回顧録とは思えないほど瑞々しさに満ちていて、ライブへの期待が一気に上がりました。
まずは日曜日に『Just kids』の購入特典で参加できたタワーレコードのトークショーへ。
憧れの人にまた会えるということで、インタビューを私がするわけでもないのに、なんだかしらないけど無駄に緊張してしまいましたw
音楽に関する話というよりは『Just kids』に関連する話がほとんどだったんだけど、パティが時折みせる笑顔や話がとてもチャーミングなのと、言葉に宿っていたであろうものが場を明るくし、そこにいるみんなをリラックスさせていたように感じました。
本の内容も、昔の話なのにパティの手にかかると現在進行形みたいなんだよね。続編を書いているとのことなのでとっても楽しみ。
この日はサイン会もありまして。私の付箋だらけの本をみたパティが、ポケットからそっと私にバッジを手渡してくれました。嬉しかった。このバッジはお守りにするのだ。
あ、余談ですがリニューアル後の渋谷店の2Fは、カフェとbookstoreがとても居心地のいいスペースになってました。ネタ探しにも使えそうな本もゴロゴロ置いてあって、パルコの本屋とハシゴしてカフェで作業とか使えそうな感じ。
そして水曜日に渋谷AXで待望のライブ。
なんの迷いもなく、暗くなる前から前方に突入。まー、たまにはいいじゃないかw
『BANGA』からの曲を中心に、昔のアルバムからも時折混ぜて。
途中のガレージ・パンクメドレーで客がヒートアップして、それまで比較的落ち着いていたおっさんどもが吹っ飛ばされてヒーヒーいっておりましたw いい光景だったなぁ。でも97年にはこのおっさんたちも私と同じように『ロックンロール・ニガー』で自分が客を吹っ飛ばしてたかもしれないでしょう。ああ、ライブっていいなぁって、結構、自分の中ではあの光景で高まっちゃいました。
で、自分はどうだったかというと、やけに冷静で。圧倒されちゃったのかもしれないし、全身で音を受け止めようと自然に体がそんなふうに反応しちゃったのかもしれない。あ、でも『GLORIA』はさすがに我慢できませんでしたっ。
トークショーの時とは違う、太くて少し癖のある声、彼女を支える無駄なものが削ぎ落された演奏、これはやっぱりバティにしか作り出せない世界。
全身全霊で表現するパティを観て「最高だった」というだけでなく、私にできることを、自分なりの方法で表現し続けようと思った人がたくさんいるのではないか。
2009年のフジロックでのライブの後に私はこんなことを書いてました。
「私たちは生きている。私たちは自由だ」こんな言葉を残してパティはステージを降りた。ジミ・ヘンドリックスも、ジョン・レノンも、ジョー・ストラマーも、忌野清志郎も死んだ。でもオレたちは生きている。
「言葉はオレにとって、ただのルールで規則でしかない」またパティとGLORIAを唄える日を信じて、この機会を与えてくれた全ての人に感謝を。 2010年、2011年と今までの自分を変えてしまうようなことが続いて、人との出会いの重要性を痛感しています。運もあるのかもしれないけど、自分の感性でたぐりよせなければ巡ってこないものもあるんだろうね。そんな中でパティの本とライブでたくさんの人と楽しさを共有できたことが本当に幸せでした。そしてまた『GLORIA』をパティと共に唄える日を信じてやみません。