私がスーザン・ソンタグのことを知ったのは、パティ・スミスを通してだったように思います。LANDというパティのベスト・アルバムにスーザン・ソンタグからのメッセージが掲載されていて「歯を見せて笑ったあなたの顔」というあたりで、私の記憶の中のパティがたくさん浮かんできて、第三者である私にこんな光景を見せてくれるなんて、この二人はただの関係じゃないな、と。
その後何冊か手に取って読んだ本は、厳しい言葉がたくさん並んでいて、立て続けに読むことを躊躇してしまうような気持ちになってしまっていたのです。年末に偶然入った本屋で日記が出版されたことを知り、手にとって頁を繰った瞬間に購入を決めました(金が足りなくてその場で買えなかったけどね…)。
山田風太郎『戦中派虫けら日記』、武田百合子『富士日記』に並ぶくらい私にとっては大きな本になりそうです(この日記には続きがあるのでこういう表現なのです)。著作の中でのあの厳しさはこういうことだったのか、なんて悲しくて、なんて寂しそうで、なんて愛おしい言葉なんだ!
同じことで悩み、つまずきながらも、私であることを辞めないこと。変わっていく私を恐れないこと。
人生ってそういうことなんだとわかれば、今の私には十分なのです。
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